認定心理士の必要単位は36単位|基本主題・副次主題の数え方

認定心理士の必要単位36単位と、基本主題・副次主題の数え方を紹介する記事のアイキャッチ

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認定心理士を取りたくて単位を数え始めたものの、36単位という数字の中身がよく分からない。基本主題や副次主題という言葉で手が止まった、という方も多いはずです。

結論から言うと、認定心理士の単位は「領域ごとの最低ライン」と「全体の合計」の2段階で見ると、すっきり数えられます。副次主題は、取った単位の半分で数えるのがポイントです。

この記事を読むと、認定心理士の必要単位の内訳と、成績証明書を使って自分で数える手順が分かります。

目次

認定心理士の必要単位は総計36単位以上

先に結論

認定心理士の必要単位は、総計36単位以上です。そのうち基礎科目(a〜c)で12単位以上、選択科目(d〜h)で16単位以上が求められ、残りはどの領域の単位でも埋められます。

『36単位を、どの科目で取ってもいいの?』と思いますよね。実は、そう単純ではないんです。

認定心理士の単位は、a〜iの9つの領域に分かれています。それぞれに最低ラインがあり、その上で合計が36単位以上になる必要があります。

今の審査基準(2014基準)の内訳を、表にまとめてみます。

区分領域求められる単位
基礎科目a 心理学概論4単位以上
基礎科目b 心理学研究法bとcを合わせて8単位以上
基礎科目c 心理学実験実習そのうち4単位以上はc領域
基礎科目の小計a〜c12単位以上
選択科目d〜hの5領域3領域以上でそれぞれ4単位以上(基本主題を含む)
選択科目の小計d〜h16単位以上
その他i 心理学関連科目・卒業論文・卒業研究必須ではない(卒業論文は最大4単位)
総計a〜i36単位以上
認定心理士の総計36単位を、基礎科目12単位・選択科目16単位・残り8単位に分けて示した図解

「残り8単位」はどこで埋める?

基礎科目12単位と選択科目16単位を足すと、28単位です。36単位まで残り8単位ありますよね。

この8単位は、a〜hのどの領域の科目でも、i領域の科目でも埋められます。心理学の科目を広く取っていれば、自然と埋まっていることも多いはずです。

放送大学は、選択科目を16単位に留めず、20〜25単位程度取ることを勧めています。審査で一部の科目が認められなかった時のために、余裕を持たせておく考え方ですね。

a領域の4単位は「まんべんなく」がポイント

a領域の心理学概論は、単位の数だけでなく中身も見られます。領域全体で、知覚・認知・学習・記憶・言語・思考・人格・動機づけ・感情・発達・社会行動などの基礎分野を満たしていることが求められます。

特定の分野だけを深く扱う特殊講義や、特定の学説が中心の講義は、a領域には入りません。『心理学と付く講義を4単位取ったからa領域は大丈夫』と考える前に、シラバスで扱っている分野の幅を確かめてみてください。

選択科目のd〜hには何が入る?

選択科目の5領域は、次のように分かれています。

領域主な内容
d知覚心理学・学習心理学(認知・思考・言語・感情心理学、行動分析学など)
e生理心理学・比較心理学(動物心理学・神経心理学など)
f教育心理学・発達心理学(児童・青年・生涯発達・学校心理学など)
g臨床心理学・人格心理学(性格・健康心理学など)
h社会心理学・産業心理学(組織・集団・家族・文化・消費者心理学など)

5領域のうち3領域以上で、それぞれ4単位以上が必要です。1つの領域に偏ると条件を満たせないので、ここは気をつけたいところです。

領域ごとの科目名の例は、認定心理士の必要科目|a〜i領域の科目名例と該当しない科目で詳しく紹介しています。

基本主題と副次主題で、数え方が変わる

副次主題は「半分」で数える

基本主題の科目は、取った単位がそのまま認定単位になります。副次主題の科目は、取った単位の半分が認定単位になります。

ここが、認定心理士の単位でいちばんつまずきやすいところです。

『成績証明書では十分な単位があるのに、数え直すと足りない』ということがあります。その理由の多くが、この基本主題と副次主題の違いなんです。

基本主題とは

各領域で、認定心理士に求められるいちばん大事な知識や技術を扱う科目です。開講されている単位数が、そのまま認定単位になります。

例えばa領域なら、心理学概論・基礎心理学・一般心理学などが基本主題の例に挙がっています。

副次主題とは

基本主題とまでは言えないけれど、その領域に含まれる科目です。開講単位数の半分が認定単位になります。

例えばa領域なら、心理学史や発達心理学概論などが副次主題の例です。1単位の副次主題の科目なら、認定単位は0.5単位になります。

科目の種類開講単位認定単位
基本主題2単位2単位
基本主題4単位4単位
副次主題1単位0.5単位
副次主題2単位1単位
該当しない科目2単位0単位

選択科目は「基本主題を含む」ことが条件

選択科目の3領域で4単位以上ずつ取る時は、それぞれの領域に基本主題の科目が入っている必要があります。

副次主題の科目だけで4単位分を集めても、その領域は条件を満たしたことになりません。ここは見落としやすいので、気をつけておきましょう。

b領域とc領域にまたがる科目

研究法と実験実習の両方を扱う科目は、単位を分けて申請できます。例えば4単位の心理学実験を、b領域に1単位、c領域に3単位と分ける形です。

成績証明書で数える「セルフ集計シート」の手順

手元で一度数えておくと、申請がぐっと楽になる

成績証明書を見ながら、科目を領域ごとに分け、基本主題か副次主題かを付けて数えます。この表がそのまま、申請書類の様式3を書く時の下書きになります。

『どこから手を付ければいいか分からない』という方のために、自分で数える手順を紹介しますね。用意するのは、成績証明書と、取った科目のシラバスです。

セルフ集計シートの作り方
  1. 成績証明書から、心理学に関係がありそうな科目をすべて書き出す
  2. 各科目のシラバスを見て、内容がa〜iのどの領域に近いかを書き込む
  3. 基本主題か副次主題かを、学会の科目名例と照らして付ける
  4. 副次主題の科目は、開講単位の半分を認定単位として書く
  5. 領域ごとに認定単位を合計し、最低ラインに届いているかを見る
  6. 最後に全体を足して、36単位以上あるかを確かめる

シートはこんな形で作る

紙でも表計算ソフトでもかまいません。次のような列を作っておくと、あとで見直しやすくなります。

科目名(成績証明書どおり)開講単位領域主題認定単位メモ
心理学概論4a基本4教養科目で取得
心理学史2a副次1シラバス要
心理学実験4b・c基本b1・c36課題のレポートあり
発達心理学2f基本2
精神医学2g副次1

表の数字は書き方の例です。あなたの成績証明書に合わせて書き換えてみてください。

科目名は、成績証明書に書かれているとおりに写します。申請でも、成績証明書と同じ科目名で書くことになっているからです。

成績証明書から科目を書き出し、領域と主題を付けて認定単位を数えるセルフ集計シートの手順を示した図解

振り分けで迷いやすい科目の例

同じような名前でも、領域や主題が分かれる科目があります。日本心理学会の科目名例から、迷いやすいものを拾ってみました。

科目名の例領域主題の扱い
教育心理学概論a基本主題の例
社会心理学概論a副次主題の例
心理統計学b基本主題の例
心理学との関連の薄い一般統計学b副次主題の例
社会学的研究法b該当しない例
教職関係などの教育実習c該当しない例
精神医学g副次主題の例
薬理学g該当しない例

ただ、これはあくまで科目名の例です。実際の審査は授業の内容で行われるので、シラバスの中身と照らし合わせて考えてみてください。

シラバスが手に入らない時は

a・b・c領域の科目は、申請の時にシラバスが要ります。卒業から時間がたっていると、手元にないことも多いですよね。

まずは卒業した大学に問い合わせてみましょう。それでも手に入らない時は、同じ内容の別の年度のシラバスに「内容同一」と理由を添えて出す方法があります。

それも無い場合は、科目名・担当者名・単位数・受講年度と、履修した内容をできるだけ詳しく書いた書面を作ります。

数え終わったら、最低ラインを確かめる

集計が終わったら、次のチェックで条件を満たしているかを見てみましょう。

単位の最低ラインのチェック
  • a領域が4単位以上ある
  • bとcの合計が8単位以上あり、そのうちcが4単位以上ある
  • c領域で6課題以上の実験を行い、各課題のレポートを書いている
  • d〜hのうち3領域以上で、基本主題を含めて4単位以上ずつある
  • d〜hの合計が16単位以上ある
  • 全体の合計が36単位以上ある

例えば、大学3年の秋に単位を数え直す場合

心理学科の3年生が、卒業までの履修計画を立てる場面を考えてみます。

シートを作ってみると、d領域とf領域は十分なのに、3つ目の領域が副次主題の科目しかない、と気づくことがあります。この場合、4年次にe・g・hのどれかで基本主題の科目を1つ取れば、条件に届くかもしれません。

ただ、どの科目がどの領域に当たるかは、最終的には学会の審査で判断されます。自分の集計は「目安」と考えて、少し余裕を持たせておくと安心です。

単位が足りない時によくある3つのパターン

足りないのは「合計」より「領域」のことが多い

全体の単位数は足りているのに、特定の領域が最低ラインに届いていない。単位不足の多くは、このパターンです。

『数えてみたら足りなかった』という時、どこが足りないかで次の手が変わります。よくあるパターンを3つ紹介します。

パターンよくある理由次の手
c領域が足りない講義中心で、実験実習の科目を取っていない実験実習の科目を、大学で追加で取る
選択科目が3領域に届かない1〜2つの領域に偏って取っていた足りない領域の基本主題の科目を取る
副次主題ばかりで合計が足りない関連科目は多いが、心理学の中心科目が少ない基本主題の科目を中心に足す

c領域は講義だけでは埋まらない

c領域は、実験的な方法で行う課題を4つ以上含む、計6課題以上の実験実習が条件です。それぞれの課題で、目的・方法・結果・考察を含むレポートを書いている必要があります。

講義の中で先生がデモの実験を見せた程度の科目や、病院などの現場見学は、c領域には入りません。実験実習の中身は認定心理士の実習(心理学実験)とはで詳しく紹介しています。

よくある失敗

卒業後に「実験実習が足りない」と気づき、慌てて大学を探すケースです。c領域の科目は、通信制大学でもスクーリング(面接授業)で受ける場合があります。日程と会場を早めに確かめておきましょう。

例えば、心理学部以外の学部を卒業した場合

文学部や経済学部を出て、教養科目で心理学をいくつか取っていた場合を考えてみます。

セルフ集計シートを作ると、a領域は教養の心理学概論で埋まっていても、bとcが空いていることが多いはずです。選択科目も、1〜2つの領域にしか単位がないかもしれません。

この場合、足りないのは「研究法・実験実習」と「選択科目の領域の数」です。足す科目の候補を、領域ごとに書き出しておくと、大学の科目一覧と見比べやすくなります。

足りない単位は、卒業後でも足せる

大学を卒業してからでも、別の大学で科目等履修生として足りない科目を取り、元の大学の単位と合わせて申請できます。複数の四年制大学の単位は、それぞれの成績証明書を出せば合わせて使えるんです。

足りない領域はどこか、今の学歴でどの大学のどの入口から学べるか。その2つが見えてくると、大学選びが一気に具体的になります。

通信制大学で単位を足す方法は、通信制大学で認定心理士を取る方法で紹介しています。

心理学の資格

働きながら認定心理士を目指すなら

認定心理士は大学で所定の単位を修得して申請する資格です。今から単位をそろえるなら、通信制大学で学ぶ方法があります。入学・編入・科目等履修の選び方と、大学を比べる時のポイントをまとめました。

無料通信制大学で取る方法を見る

認定心理士の基準・費用や大学の制度は変わることがあります。最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。

2027基準だと、必要単位はどう変わる?

合計は同じ、選択科目の条件が変わる

2027年4月1日から、新しい2027基準での申請が始まります。総計36単位以上・基礎科目12単位以上は同じで、選択科目の数え方が変わります。

『今から単位を取るなら、どちらの基準で考えればいいの?』と迷いますよね。2031年3月31日までは、2014基準と2027基準のどちらでも申請できます。

比べる点2014基準(今の基準)2027基準
総計36単位以上36単位以上
基礎科目12単位以上12単位以上
c領域b・c合わせて8単位以上、うちc4単位以上c領域で最低2単位は基礎実験科目を含むことが加わる
選択科目3領域以上でそれぞれ4単位以上4領域以上でそれぞれ2単位以上
選択科目の小計16単位以上16単位以上
副次主題開講単位の半分開講単位の半分

2027基準では、選択科目を広く浅く取っている人が数えやすくなります。反対に、3つの領域に集中して取っている人は、2014基準のほうが合うこともあるんです。

2027基準で増える科目例と、使えない科目例

2027基準では、i領域の例にスポーツ心理学・災害心理学・ゼミナール・専門演習が加わります。

一方で、公認心理師の職責・関係行政論・人体の構造と機能及び疾病・修士論文は、認定基準を満たさない科目の例に挙がっています。公認心理師の科目を取っている人も、全部がそのまま数えられるわけではない点は押さえておきましょう。

セルフ集計シートができていれば、両方の基準で数え直すのは難しくありません。詳しい変更点は認定心理士の2027年基準とは?変更点と2014年基準との違いで確かめてみてください。

よくある相談:認定心理士の単位

相談の多くは「この単位で足りるか」

寄せられる相談で多いのは、領域の振り分け方や、卒業後に足りない単位をどう埋めるかといった疑問です。

認定心理士の単位について、よくある相談を3つ取り上げます。

『a領域・b領域などに、どの科目を入れればいいか分かりません』

申請の準備を始めたけれど、自分の科目をどの領域に入れればいいか迷っている、という相談です。

審査は科目名ではなく内容で行われるので、まずはシラバスで授業の中身を確かめるのが近道です。学会が公開している科目名の例と、基本主題・副次主題の区分を照らし合わせてみてください。

ただ、どの科目がどの領域に当たるかを、事前に学会へ聞いても答えてもらえません。迷う科目は、内容に最も近い領域に入れて申請することになります。

書類の書き方は認定心理士の申請書類の書き方も参考にしてみてください。

『通信制大学を卒業したあと、3科目ほど足りないと分かりました』

大学は卒業したものの、申請してみたら数科目分が足りなかった、という相談です。

この場合は、大学を卒業したあとに別の大学で科目等履修生として足りない科目だけを取り、元の単位と合わせて申請できます。日本福祉大学のように、大卒の人が科目等履修生として認定心理士に必要な科目だけを履修できると案内している大学もあります。

不合格になっても、条件を整えて再審査を受けられます。足りなかった領域を、まず確かめてみてください。

『大学を中退して別の通信制大学に編入する時、前の単位は使えますか?』

放送大学などを途中でやめて、別の通信制大学に編入しようと考えている方からの相談です。

複数の四年制大学で取った単位は、合わせて申請できます。中退した大学の単位も、その大学の成績証明書が出せれば、申請に使える可能性があります。

ただ、編入先で卒業単位として何単位が認められるかは、大学ごとに違います。認定心理士の申請で使えるかと、編入先の卒業に使えるかは別の話なので、両方を確かめておきましょう。

よくある質問

認定心理士の必要単位は何単位ですか?

総計36単位以上です。基礎科目(a〜c)で12単位以上、選択科目(d〜h)で16単位以上が必要で、残りはa〜iのどの領域の単位でも埋められます。

副次主題の単位は、どう数えますか?

開講単位数の半分が認定単位になります。1単位の副次主題の科目なら、0.5単位です。

卒業論文は単位に入りますか?

i領域として入ります。ただし卒業論文は最大4単位までです。i領域は必須ではないので、0単位でもかまいません。

大学院で取った単位は使えますか?

使えます。大学院で取った科目は、主に選択科目(d〜h)として利用できます。

一般教育で取った心理学概論は使えますか?

使えます。日本心理学会の細則では、心理学概論は一般教育や教職教養の科目で充当できるとされています。

まとめ

この記事の要点
  • 認定心理士の必要単位は総計36単位以上で、基礎科目12単位以上・選択科目16単位以上が軸
  • c領域は6課題以上の実験実習とレポートが条件
  • 選択科目はd〜hのうち3領域以上で、基本主題を含めて4単位以上ずつ
  • 副次主題は開講単位の半分で数える
  • 成績証明書とシラバスでセルフ集計シートを作ると、不足と申請の下書きが一度に分かる

単位の基準は、日本心理学会の資格取得に必要な単位と科目名例で確かめられます。まずは成績証明書を1枚取り寄せて、心理学の科目を書き出すところから始めてみてください。

心理学の資格

心理学の資格 編集部

日本心理学会の認定心理士について、資格の意味・必要な単位と科目・申請の流れ・費用・通信制大学での取り方までを、はじめて調べる人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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