認定心理士の取り方|なるには何が必要?取得方法を順番に

認定心理士の取り方を、大学で単位を取る段階から申請まで順番に紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が日本心理学会・公的機関・各大学の公開情報を調べて独自に執筆しています。認定心理士の基準・費用・手続きや大学の制度は変わることがあるため、最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。

認定心理士になりたいけれど、何から始めればいいのか分からない。試験があるのか、大学に入り直すのか、それすら見えないという方も多いはずです。

結論から言うと、認定心理士の取り方はとてもシンプルです。大学で決められた心理学の単位を取り、卒業したうえで、日本心理学会に書類を出して審査を受けます。

この記事を読むと、今のあなたの立場から認定心理士までの道筋が、順番に分かります。

目次

認定心理士になるには何が必要?取り方の全体像

先に結論

認定心理士になるには「大学で心理学の単位を36単位以上取る」「四年制大学を卒業する」「日本心理学会の審査に通る」の3つがそろえば大丈夫です。試験はありません。

『資格というからには、試験勉強が要るのでは?』と思いますよね。

実は、認定心理士の資格には試験がないんです。審査は、大学の成績証明書やシラバスなどの書類で行われます。

認定するのは公益社団法人日本心理学会です。正式名称は「日本心理学会認定心理士」といい、国家資格ではなく、学会が認定する心理学の基礎資格になります。

資格の意味や位置づけをもう少し詳しく知りたい方は、認定心理士とは?資格の意味・取り方・できることをやさしく解説から読んでみてください。

認定の条件は3つだけ

日本心理学会が定めている認定の条件は、次の3つです。

条件中身よくある疑問
日本での滞在16歳以降、通算2年以上日本に滞在した経験がある日本で暮らしてきた人なら、まず当てはまります
心理学の単位大学か大学院で、決められた領域の科目を履修し、必要な単位を取った心理学部でなくても、条件に合う科目なら使えます
大学の卒業四年制大学を卒業して学士を取った、または大学院修士課程を修了した卒業見込みの年度なら、卒業前に申請もできます

いちばん時間がかかるのは、2つ目の単位です。ここをどこで、どう取るかで、ルートが分かれていきます。

条件の細かい読み方は認定心理士の条件・要件|受験資格や試験はある?申請できる人を整理にまとめています。

「取れば仕事になる資格」ではない

ここは最初に押さえておきたいところです。

日本心理学会は、認定心理士を「職能の資格ではない」と説明しています。大学で心理学を専門的に学んだことの証明になる資格、と考えるとしっくりきます。

カウンセリングなど心の支援を仕事にする国家資格は、公認心理師です。違いは認定心理士と公認心理師・臨床心理士の違いで詳しく比べています。

認定心理士の取り方を順番に見てみよう

流れは6段階

単位を取る、卒業する、書類をそろえる、審査料を払って申請する、審査を待つ、認定料を払って認定証を受け取る。この順番で進みます。

『全体の流れを、まず一枚の地図で見たい』という方もいますよね。認定心理士の資格取得方法を、時系列で並べてみます。

認定心理士の資格を取得する流れ
  1. 大学で、a〜iの領域に当たる心理学の科目を履修し、合計36単位以上を取る
  2. 四年制大学を卒業する(卒業見込みの年度なら、仮認定で先に申請できる)
  3. 成績証明書・シラバス・様式1〜5などの申請書類をそろえる
  4. 審査料11,000円を払い、郵送か電子申請で申し込む
  5. 日本心理学会の審査を待つ(通常2〜3か月)
  6. 合格したら認定料33,000円を払い、認定証とIDカードを受け取る
大学で単位を取ってから認定証が届くまでの6つの段階を、時間の流れに沿って示した図解

段階1:大学で心理学の単位を取る

認定心理士の取得でいちばん大事なのが、この段階です。

必要なのは総計36単位以上で、内訳は「基礎科目12単位以上」と「選択科目16単位以上」、そして残りの単位です。基礎科目には心理学概論・心理学研究法・心理学実験実習が入ります。

特に心理学実験実習(c領域)は、実験を6課題以上行い、それぞれレポートを書いていることが求められます。講義を聞くだけの科目では埋められないので、早めに確認しておきましょう。

単位の数え方は認定心理士の必要単位は36単位|基本主題・副次主題の数え方で、ひとつずつ説明しています。

段階2:四年制大学を卒業する

単位がそろっていても、四年制大学を卒業していないと認定にはなりません。

ただ、卒業見込みの年度に入っていれば、卒業前に「仮認定」の申請ができます。合格すると有効期限付きの仮認定証が届き、卒業後に卒業証明書を送ると正式な資格取得になります。

段階3:申請書類をそろえる

書類で申請する場合、主に次のものを用意します。

  • 様式1〜5(認定申請書・履歴書・修得単位表・c領域の実験課題リストなど)
  • 大学の成績証明書(原本)
  • 卒業証明書の原本、または卒業証書(学位記)のコピー
  • 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
  • a・b・c領域の科目のシラバス

成績証明書は大学の窓口で発行してもらえます。シラバスが手元にない時は、まず大学に問い合わせてみてください。

段階4:審査料を払って申請する

申請の方法は、郵送での書類申請と、Webでの電子申請の2通りです。どちらでも審査の基準は同じです。

電子申請なら、入力で一部の書類が要らなくなります。審査料・認定料をクレジットカードやコンビニで払えるのも便利なところです。

ただ、成績証明書など一部の書類は郵送が要ります。

段階5:審査を待つ

郵送物を出してから審査結果が届くまでは、通常2〜3か月です。時期によってはそれ以上かかり、書類に不備があるとさらに延びることも。

もし不合格でも、条件を整えて再審査を受けられます。修正の期限を過ぎても受け付けてもらえ、追加の審査料もかかりません。

段階6:認定料を払って認定証を受け取る

合格の通知が来たら、認定料33,000円を払います。払わないと資格取得にならないので、ここは忘れずに。

認定料の振込から約2〜3週間で、「認定心理士認定証」と「認定心理士証(IDカード)」が届きます。更新や年会費はありません。

申し込みの細かい手順は認定心理士の申請方法と流れで詳しく紹介しています。

今の立場で変わる、認定心理士までのルート

ゴールは同じ、入口が違う

認定心理士のなり方は、今の立場で大きく変わります。在学中なのか、卒業済みなのか、心理学系の学科なのかで、次にやることが違うんです。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

取り方の説明は「大学で単位を取る」で終わりがちですよね。でも、高校生と社会人とでは、その「大学」の入り方がまったく違います。

自分にいちばん近い行を探してみてください。

今の立場まずやることその後のルート
高校生進学先の大学が認定心理士に対応しているかを調べる入学後、対応科目を計画的に取って卒業時に申請
心理学系の学科の在学生大学の履修案内で、認定心理士の対応科目を確認する卒業見込みの年度に仮認定、または卒業後に申請
心理学以外の学部の在学生他学科の心理学科目を取れるか、大学に聞いてみる取れた分を数え、足りなければ卒業後に科目等履修
心理学系を卒業した人成績証明書を取り寄せて単位を数える足りていればそのまま申請。何年前の卒業でも申請できる
心理学以外の学部を卒業した人成績証明書で使える科目を探す足りない分を、通信制大学の科目等履修などで補う
短大を卒業した人四年制大学への編入を考える編入先で卒業し、必要な単位をそろえて申請
大卒ではない社会人通信制大学への入学を考える卒業までに対応科目を取り、卒業後に申請
今の立場から認定心理士までのルートを、在学中か卒業済みか、心理学系かどうかで分けた分岐の図解

例えば、心理学部以外の学部を出て3年目の会社員の場合

経済学部を卒業し、教養科目で心理学概論だけ取っていた場合を考えてみます。

まずは成績証明書を取り寄せて、使えそうな科目に印を付けます。心理学概論はa領域に使える可能性がありますが、残りの単位と実験実習は足りないはずです。

この場合は、大学卒業後に別の大学で科目等履修生として科目だけを取り、元の大学の単位と合わせて申請する道があります。複数の四年制大学の単位は合わせて申請できるんです。

例えば、大学3年の秋に単位を数え直す場合

心理学科の3年生なら、卒業までに必要な単位を取りきれるかを、いま一度数えておきたいところです。

特にc領域の実験実習と、選択科目の3領域以上という条件は見落としがち。足りない領域があれば、4年次の履修で埋める計画を立てておきましょう。

短大卒の場合は「編入」がカギ

短大の単位は、そのままでは申請に使えません。四年制大学に編入し、その短大の単位が編入先で卒業単位として認められている場合だけ、申請に使えます。

その時は、編入先の大学が出す読み替えの証明書と、短大の成績証明書が要ります。編入を考える段階で、証明書を出してもらえるかを大学に確かめておくと安心です。

取得方法でつまずきやすい所と、費用・期間の目安

よくある思い違い

「専門学校や民間の通信講座で取れる」と思って申し込んでしまうケースです。認定心理士の対象になるのは、四年制大学で開講され、単位取得の証明書が出る科目だけです。

『ネットで見た講座で取れると思っていた』という声は、実は少なくありません。

心理学を学べる講座はたくさんありますが、大学以外の講座で取った修了証は、認定心理士の申請には使えません。独学で心理学を勉強することも、知識としては役立ちますが、単位にはならないんです。

つまずきやすい点のチェック

次の項目を、申請を考え始めた段階で確かめておくと、あとで慌てずに済みます。

取り方で見落としやすい点
  • 取ろうとしている講座が、四年制大学の科目かどうか
  • c領域の実験実習で、6課題以上のレポートを書いているか
  • 選択科目のd〜h領域のうち、3領域以上で4単位以上ずつあるか
  • a・b・c領域の科目のシラバスを用意できるか
  • 卒業した大学で、成績証明書を取り寄せられるか

科目名ではなく「内容」で審査される

大学ごとに科目名はばらばらです。そのため審査は、科目名ではなく授業の中身で行われます。

同じ「心理学」と付いた科目でも、内容が心理学の基礎から外れていれば認められないことも。逆に、名前に「心理学」がなくても、内容が当てはまれば認められる場合があります。

どの科目がどの領域に当たるかは、事前に学会へ聞いても答えてもらえません。

科目の例は認定心理士の必要科目|a〜i領域の科目名例と該当しない科目で一覧にしています。

2027年4月から新しい基準も始まる

2027年4月1日から、新しい「2027基準」での申請が始まります。2031年3月31日までは、今の2014基準と新しい基準のどちらでも申請できます。

これから単位を取る方は、両方の基準を見比べておくと安心です。変更点は認定心理士の2027年基準とは?で紹介しています。

費用はいくら?期間はどのくらい?

学会に払うのは合計44,000円

審査料11,000円と認定料33,000円の2つです。ほかに、大学の学費や証明書の発行手数料が人によってかかります。

『結局、全部でいくらかかるの?』と気になりますよね。日本心理学会に払う分は、次のとおりです。

費用金額払うタイミング
審査料11,000円申請する時
認定料33,000円合格した後
合計44,000円一度払うと原則返金なし
申請書類の郵送取り寄せ1,650円書類をダウンロードしない場合だけ

年会費や更新料はかかりません。費用の詳しい内訳は認定心理士の費用はいくら?審査料・認定料と支払い方法で確かめてみてください。

期間の目安

申請してから認定証が届くまでの目安は、次のように考えておくと安心です。

  • 書類を送ってから審査結果まで、通常2〜3か月
  • 受領のはがきが届くまでに、1〜2か月かかる場合もある
  • 認定料を振り込んでから認定証の発送まで、約2〜3週間

これとは別に、単位を取るための期間がかかります。在学中ならふだんの履修で、卒業後なら大学に入り直す期間を見ておきましょう。

単位をどこで取るか、今の学歴から考える

足りない単位の取り方は3通り

1年次から大学に入る、3年次・4年次に編入する、科目等履修生として必要な科目だけ取る。今の学歴で、選べる入口が決まります。

ここまで読んで『自分は単位が足りなそう』と感じた方もいますよね。そんな時に考えたいのが、どこで単位を取るかです。

働きながら学ぶなら、通信制大学(通信教育課程)が現実的な選択肢になります。通信制大学も学校教育法の大学なので、対応している科目の単位は申請に使えます。

今の学歴考えやすい入口
高卒・大学中退通信制大学に1年次から入学し、卒業を目指す
短大卒・専門学校卒通信制大学の3年次編入(受け入れの条件は大学ごとに確認)
四年制大学卒(心理学以外)3年次・4年次編入か、科目等履修生として必要な科目だけ取る
四年制大学卒(心理学系で少し不足)科目等履修生として、足りない科目だけ取る

もちろん、通学制の大学で学ぶ道や、今通っている大学で取りきる道もあります。どれが正解ということはなく、生活に合うかどうかで選んでみてください。

通信制大学を選ぶ前に確かめたいこと

通信制大学でも、c領域の実験実習はスクーリング(面接授業)で受ける形の大学があります。仕事を休める日数と、会場まで通えるかは、最初に確かめておきたいところです。

通信制大学での具体的な進め方は、通信制大学で認定心理士を取る方法|働きながら目指す流れと注意点で詳しく紹介しています。社会人の学び方は社会人が認定心理士を取るにはも参考になります。

今の学歴で、どの入口から入れるのか。仕事を続けながら、スクーリングに何日通えそうか。

この2つを書き出してから大学を探すと、比べる点がはっきりします。

心理学の資格

働きながら認定心理士を目指すなら

認定心理士は大学で所定の単位を修得して申請する資格です。今から単位をそろえるなら、通信制大学で学ぶ方法があります。入学・編入・科目等履修の選び方と、大学を比べる時のポイントをまとめました。

無料通信制大学で取る方法を見る

認定心理士の基準・費用や大学の制度は変わることがあります。最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。

よくある相談:認定心理士の取り方

相談の多くは「自分の場合はどうか」

寄せられる相談で多いのは、独学で取れるか、短大卒でも目指せるか、どの科目が必須かといった、自分の状況に当てはめた疑問です。

認定心理士の取り方について、よくある相談を3つ取り上げてみます。

『独学で認定心理士を取ることはできますか?』

資格を取りたいけれど、大学に行く時間はない。独学で何とかならないか、という相談です。

結論から言うと、独学だけでは取れません。認定心理士の申請には、四年制大学で取った単位の証明が要るからです。

ただ、大学に通う形にこだわる必要はありません。通信制大学なら、自宅での学習を中心に進められます。

独学で身につけた知識は、大学の授業を理解する助けになりますよ。

『短大(3年制)を卒業していますが、通信制大学に編入して取れますか?』

短大を卒業していて、通信制大学への編入を考えている方からの相談です。

編入して卒業し、必要な単位をそろえれば、認定心理士を目指せます。ただ、短大の単位を申請に使えるのは、編入先の大学がその単位を卒業単位として認めている場合だけです。

その場合も、編入先の読み替え証明書と短大の成績証明書が要ります。何年次に編入できるか、どの単位が認められるかは、志望する大学の募集要項で確かめてみてください。

『統計法の科目は、取らないと申請できませんか?』

学会の基準では、b領域(心理学研究法)とc領域(実験実習)を合わせて8単位以上、うちc領域が4単位以上と決まっています。「統計法」という名前の科目が単独で求められているわけではありません。

ただ、b領域の例には「心理統計学」や「心理学実験法」が並んでいます。大学によっては、b領域として統計の科目を取るよう案内していることも。

例えば放送大学は、b領域で統計学に関する科目を認定単位1単位以上取るよう案内しています。

通っている大学の手引きで、どう案内されているかを見てみてください。

よくある質問

認定心理士の資格を取るのに、試験はありますか?

試験はありません。大学で取った単位を、成績証明書やシラバスなどの書類で審査してもらう仕組みです。

心理学部でなくても認定心理士になれますか?

なれます。他学部や他学科を卒業していても、認定基準に合う科目の単位を取っていれば取得できます。

大学を卒業してから何年もたっていますが、申請できますか?

できます。卒業の時期に関係なく申請できます。ただし、今の基準に合わせて書類をそろえる必要があります。

専門学校や通信講座で認定心理士は取れますか?

取れません。対象になるのは、四年制大学で開講され、単位取得の証明書が出る科目だけです。

認定心理士になったら更新は必要ですか?

更新は要りません。年会費もかかりません。

まとめ

この記事の要点
  • 認定心理士の取り方は、大学で単位を取り、卒業し、書類で審査を受ける流れ
  • 試験はなく、総計36単位以上と四年制大学の卒業が軸になる
  • 立場によって入口が違い、卒業後でも科目等履修などで単位を足せる
  • 専門学校や民間講座の受講では取れない
  • 学会に払う費用は審査料11,000円と認定料33,000円の合計44,000円

認定心理士は、大学で心理学を学んだことを形にできる資格です。まずは成績証明書や履修案内を手元に置いて、今の自分がどこにいるかを確かめるところから始めてみてください。

日本心理学会の最新の案内は、認定心理士の公式ページで確認できます。

心理学の資格

心理学の資格 編集部

日本心理学会の認定心理士について、資格の意味・必要な単位と科目・申請の流れ・費用・通信制大学での取り方までを、はじめて調べる人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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