当サイトの記事は編集部が日本心理学会・公的機関・各大学の公開情報を調べて独自に執筆しています。認定心理士の基準・費用・手続きや大学の制度は変わることがあるため、最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。
認定心理士を取るか迷っていて、調べると「意味ない」という声も出てくる。そんな時、取るべきか決めきれなくなりますよね。
結論から言うと、認定心理士のメリットは「大学で心理学を学んだことを、学科名に関係なく証明できること」です。大きく役立つ人もいれば、あまり差が出ない人もいます。
この記事を読むと、認定心理士のメリットと「意味ない」と言われる理由、そして自分が取るべきかの判断のしかたが分かります。
認定心理士を取るメリットは?
日本心理学会が挙げるメリットは、心理学という名前の付かない学部や学科を出ていても、心理学の標準的な基礎学力と技能を身につけていると証明できることです。
『資格としての中身は分かったけど、実際に何がいいの?』と思いますよね。
認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が認定する心理学の基礎資格です。メリットを具体的に挙げると、次のようになります。
| メリット | どういうことか |
|---|---|
| 学んだ中身を証明できる | 学科名に「心理学」が無くても、心理学を専門に学んだことを示せる |
| 試験がない | 大学で取った単位を、書類か電子申請で審査してもらう |
| 卒業後でも申請できる | 卒業の時期に関係なく申請できる |
| 更新・年会費がない | 一度取れば、維持のためのお金や手続きがいらない |
| 他大学の単位も合わせられる | 卒業後に別の大学で取った単位も合わせて申請できる |
| 上乗せの資格がある | 心理調査の専門科目を学べば、認定心理士(心理調査)も目指せる |
認定心理士とはどんな資格か、全体像は認定心理士とは?資格の意味・取り方・できることをやさしく解説で紹介しています。

「学んだことの証明」が役立つ場面
例えば、人間科学科や教育学科のように、学科名に心理学が入っていない学部を出た場合を考えてみてください。
履歴書に学部名と学科名だけを書いても、心理学をどこまで学んだかは伝わりにくいですよね。認定心理士があれば、実験・統計・概論まで基準を満たして学んだことを、資格名ひとつで示せます。
一度取れば、ずっと名乗れる
認定心理士は、更新の必要がなく、年会費もかかりません。日本心理学会の会員になるかどうかとも関係なく、資格はそのまま続きます。
仕事を何度か変えても、学んだ証明として長く使えるのは、うれしいところですよね。
手間とお金は、今の単位で大きく変わる
メリットを考える時は、取るためにかかる手間とお金もあわせて見ておきたいところです。今どれだけ単位があるかで、負担はかなり違います。
| 今の状況 | 必要になること | かかるお金の目安 |
|---|---|---|
| 36単位以上そろっていて卒業済み | 書類をそろえて申請する | 審査料と認定料の合計44,000円 |
| 卒業見込みで単位がそろっている | 仮認定で卒業前に申請する | 通常の申請と同じ44,000円 |
| 単位が少し足りない | 別の大学で足りない科目を履修する | 44,000円に加え、履修先の学費 |
| 心理学の単位がほとんどない | 大学に入学や編入をして単位を取る | 44,000円に加え、大学の学費 |
大学の学費は、大学ごと・年度ごとに違います。足りない単位を補う場合は、各大学の募集要項で確かめてみてください。
認定心理士を取った人は、日本心理学会の下部組織「認定心理士の会」に入れます。学会員でなくても入れて、会費は当面無料です。
『意味ない』と言われる理由は?
「意味ない」と言われる理由をたどると、多くは認定心理士に、心理職の資格と同じ働きを期待してしまうことから来ています。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
『意味ないなら、取らなくていいのかな』と不安になりますよね。理由を1つずつ見ていくと、意味がないのではなく、使いどころが違うだけだと分かります。
| 「意味ない」と言われる理由 | 実際のところ |
|---|---|
| 取っても心理職として働けない | 学会自身が職能の資格ではないと説明している。心理職の資格は公認心理師など |
| 国家資格ではない | 日本心理学会が認定する資格。何を証明するかがはっきりした資格 |
| 費用がかかる | 審査料11,000円と認定料33,000円で合計44,000円。更新や年会費はない |
| 大学の単位がないと取れない | 専門学校や民間の講座では取れない。そのぶん大学で学んだ証明になる |
| 資格名だけで就職が決まるわけではない | 学会は、学んだことを生かした仕事はできると思われる、という言い方をしている |
心理職の資格と比べると、物足りなく見える
「意味ない」という声のいちばん大きな理由は、公認心理師や臨床心理士と同じものだと思われていることです。
公認心理師は、心理に関する支援を業とする国家資格です。認定心理士は、大学で心理学の基礎を学んだことの証明なので、そもそも役割が違います。
違いは認定心理士と公認心理師・臨床心理士の違い|目的別にどれを目指すかで詳しく比べています。
「取れば就職できる」と思うとがっかりする
日本心理学会のQ&Aでも、認定心理士は心理学の基礎資格で、職能の資格ではないと説明されています。
『資格を取れば、それだけで仕事が見つかる』と思って取ると、期待と違うと感じるかもしれません。資格名より、学んだことをどう話すかで差がつく資格なんです。
「意味ない」と感じやすい場面、感じにくい場面
同じ資格でも、使う場面によって手ごたえはずいぶん違います。
| 場面 | 感じ方 | 理由 |
|---|---|---|
| 心理職の採用で、資格の条件を見る時 | 意味がないと感じやすい | 心理職の資格として扱われるものではない |
| 一般の会社の面接で、学んだことを話す時 | 役立つと感じやすい | 心理学を学んだ範囲を、資格名で示せる |
| 学科名から専攻が伝わりにくい時 | 役立つと感じやすい | 学科名に関係なく、学んだ中身を証明できる |
| 自分の学び直しの区切りにしたい時 | 役立つと感じやすい | 36単位以上という目標が、ゴールになる |
「意味ない」という声が、どの場面の話なのかを考えてみると、自分にとっての意味も見えてきますよ。
「意味ない」という声は、その人が何を期待していたかで変わります。自分が何のために取るのかを先に決めてから、声を聞いてみてください。
民間の講座では取れないことが、むしろ強み
認定心理士は、四年制大学で開講されている科目で、単位取得の証明書が出るものだけが対象です。専門学校や民間の通信講座の受講では取れません。
『取りにくいのは不便』と感じるかもしれませんね。ただ、そのぶん「大学で心理学を学んだ」ことの証明として、中身がはっきりした資格になっているんです。
上乗せの資格への入り口にもなる
認定心理士を持っている人は、認定心理士(心理調査)、通称「心理調査士」を追加で申請できます。心理調査に関連する専門科目を履修した認定心理士を、日本心理学会が認定する資格です。
こちらも職能の資格ではありませんが、アンケートや調査の学びを形にしたい人には、次の目標になります。認定心理士を持っていないと取れないので、まずは認定心理士が入り口になります。
認定心理士のメリットが大きい人・小さい人
同じ認定心理士でも、取って大きく役立つ人と、あまり差が出ない人がいます。自分がどちらに近いかを、次の表とチェックで確かめてみてください。
『自分は取った方がいいのか、取らなくてもいいのか』が、いちばん知りたいところですよね。タイプ別に分けてみました。
| タイプ | メリットの大きさ | 理由 |
|---|---|---|
| 学科名に「心理学」が無い学部で心理学を学んだ人 | 大きい | 学科名だけでは伝わらない学びを証明できる |
| 心理学部で学び、単位がほぼそろっている人 | 大きい | 少ない手間と費用で、学んだ証明を残せる |
| 社会人で、心理学を学び直して仕事に生かしたい人 | 大きい | 学び直しの成果を、形として残せる |
| 心理職として働くために、資格がほしい人 | 小さい | 認定心理士は職能の資格ではない。目標は公認心理師など |
| 心理学の科目をほとんど取っていない人 | 目的しだい | 取るには大学で単位をそろえる時間が要る |

取るかどうかを決めるチェック
- 大学で心理学の科目を、ある程度取っている
- 学科名だけでは、心理学を学んだことが伝わりにくい
- 学んだ心理学を、今の仕事や就職活動で話したい
- 学び直しの区切りとして、形に残る目標がほしい
- 将来、心理調査の資格も視野に入れている
- 心理の相談や支援を、仕事の中心にしたい
- 資格名だけで就職が決まることを期待している
- 大学で単位を取る時間を、今は取れない
上のチェックに多く当てはまるなら、取るメリットは大きいと考えてよさそうです。下のチェックに多く当てはまるなら、先に公認心理師のルートを調べたり、学ぶ時間を作ったりする方が合っています。
取るタイミングでもメリットは変わる
同じ人でも、いつ取るかでメリットの感じ方は変わります。
- 卒業前の仮認定なら、就職活動の時期に間に合わせやすい
- 成績証明書やシラバスが手に入りやすい
- 学んだ内容を覚えているうちに、話す準備ができる
- 今の基準に合わせて書類をそろえ直す
- シラバスが手に入らず、大学に問い合わせることもある
- 足りない単位を補う時間と学費がかかることもある
卒業して時間がたっていても申請はできます。ただ、書類集めの手間を考えると、取れる時に取っておく方が楽なことが多いですよ。
例えばこんな場面で考えてみる
大学3年の秋に、心理学科で単位を数え直す場合を考えてみます。
心理職に進む予定はなくても、必要な単位がほぼそろっているなら、卒業時に申請しておく意味は十分あります。学んだ証明を、卒業の時点で手元に残せるからです。
心理学部以外の学部を出て3年目の会社員の場合はどうでしょう。人事や営業の仕事で心理学を生かしたいなら、通信制大学などで足りない単位を補う道があります。
迷ったら、3つの質問で決める
チェックをしても決めきれない時は、次の3つの質問に順番に答えてみてください。
- 心理学を学んだことを、誰かに伝えたい場面があるか考える
- 今ある単位で36単位以上に届くか、成績証明書で数える
- 足りない場合、補う時間と学費をかけられるか考える
1つ目が「ある」で、2つ目が「届く」なら、取らない理由はあまりありません。2つ目が「届かない」場合は、3つ目の答えしだいです。
今すぐは時間を取れなくても、卒業後いつでも申請できるので、急いで決めなくても大丈夫ですよ。
メリットを生かすにはどうする?
認定心理士のメリットを生かすコツは、資格名に加えて、学んだ中身を自分の言葉で説明できるようにしておくことです。
『取ったあと、どう使えばいいの?』と迷う方もいますよね。生かし方を順番に見ていきます。
- 履歴書には正式名称の「日本心理学会認定心理士」で書く
- 実験・統計・概論など、学んだ中身を一言で言えるようにしておく
- 今の仕事や志望先で、学んだことが役立つ場面を1つ考える
- 面接や自己紹介で、資格名と学んだ中身をセットで話す
例えば、面接ではこんなやりとりが考えられます。
「認定心理士は、どんな資格ですか?」
「大学で心理学の基礎を学んだことを、日本心理学会が認める資格です。心理学の実験と統計を学んだので、データを見て考えるのが得意です」
面接で話す時は、「カウンセリングができる」のように、資格の範囲を越えた言い方は避けておきましょう。学んだことと、できることを分けて話す方が、かえって相手に信頼されやすくなります。
仕事への生かし方は、認定心理士でできる仕事は?就職・キャリアへの生かし方で場面ごとに紹介しています。
取ったあとに知っておきたい手続き
認定料を払うと、「認定心理士認定証」と「認定心理士証(IDカード)」が届きます。入金から発送までは、約2〜3週間です。
他の機関に出す証明書(和文・英文)は、1通550円で日本心理学会に発行してもらえます。住所が変わった時やIDカードをなくした時の手続きも、学会のサイトで案内されています。
社会人の学び直しにもメリットがある
社会人の方にとっては、学び直しのゴールがはっきりすることもメリットの1つです。
36単位以上という目標があるので、どの科目をいつまでに取るか、計画を立てやすくなります。働きながら学ぶ方法は社会人が認定心理士を取るには|仕事と両立する学び方と期間の考え方で紹介しています。
今の学歴で、どこで単位を取るか
取ると決めたら、次は「どこで単位を取るか」です。
今の大学で取り切れる方は、今の大学で取るのがいちばんの近道です。卒業していて単位が足りない方や、これから学ぶ社会人の方は、通信制大学の資料を見比べてみると判断しやすくなります。
心理学の資格
働きながら認定心理士を目指すなら
認定心理士は大学で所定の単位を修得して申請する資格です。今から単位をそろえるなら、通信制大学で学ぶ方法があります。入学・編入・科目等履修の選び方と、大学を比べる時のポイントをまとめました。
無料通信制大学で取る方法を見る認定心理士の基準・費用や大学の制度は変わることがあります。最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。
通信制大学で取る流れは、通信制大学で認定心理士を取る方法|働きながら目指す流れと注意点で詳しく紹介しています。
認定心理士のメリットについてよくある相談
メリットについての相談では、そもそも取る意味があるのか、心理職に就かないなら取らなくていいのか、別の道と一緒に取っておくべきか、という内容がよく見られます。
認定心理士って、取って意味あるの?
人気があるようだけれど、認定心理士は取って意味があるのか、という相談です。
意味があるかは、何のために取るかで変わります。大学で心理学を学んだことを証明したいなら、認定心理士はちょうど合う資格です。
一方で、心理職として働くための資格を探しているなら、目標は公認心理師などになります。目的を決めてから判断すると、迷いが少なくなりますよ。
心理職に就く予定がない心理学科生でも、取った方がいい?
心理学科の学生で、将来心理職に就く予定はないけれど、認定心理士は取った方がいいのか、という相談です。
心理職に就かなくても、取るメリットはあります。学んだ心理学を、一般の会社での仕事や就職活動で伝える材料になるからです。
例えば、アンケートの結果を読み取る仕事や、人と接する仕事の面接で、学んだ実験や統計の話をするきっかけになります。資格名があると、話を切り出しやすいんです。
単位がほぼそろっているなら、手間と費用は審査料と認定料の合計44,000円と書類の準備が中心です。卒業見込みの年度に条件を満たしていれば、卒業前に申請できる仮認定もあります。
別の資格を目指しながら、同時に取っておくべき?
養護教諭などほかの道を目指していて、同時に認定心理士も取れる大学なら、取っておいた方がいいか、という相談です。
同じ大学で単位がそろうなら、取っておくと心理学を学んだ証明が1つ増えます。ほかの資格と比べてどちらが上というものではなく、学んだことの記録として役立ちます。
ただし、認定心理士のために時間割が苦しくなるなら、本命の資格を優先して考えてみてください。認定心理士は卒業後でも、別の大学の単位と合わせて申請できます。
メリットや仕事についての学会の説明は、日本心理学会「Q & A」で確かめられます。
よくある質問
認定心理士を取るメリットは何ですか?
心理学という名前の付かない学部や学科を出ていても、心理学の標準的な基礎学力と技能を身につけていると証明できることです。試験がなく、更新や年会費もありません。
認定心理士は意味がないと言われるのはなぜですか?
心理職の資格と同じ働きを期待されることが多いからです。認定心理士は職能の資格ではなく、大学で心理学を学んだことの証明になる資格です。
認定心理士は就職で役に立ちますか?
資格名だけで就職が決まるものではありません。日本心理学会は、大学で心理学を専門に学んだことは証明されるので、それを生かした仕事はできると思われる、と説明しています。
認定心理士を取るのにかかる費用はいくらですか?
審査料11,000円と認定料33,000円で、合計44,000円です。大学で単位を取るための学費は、大学ごとに違います。
卒業してから時間がたっていても、取るメリットはありますか?
卒業の時期に関係なく申請できます。学んだことを形にしたいと感じた時が、取る意味のあるタイミングです。今の基準で書類をそろえる必要があります。
まとめ
- 認定心理士のメリットは、大学で心理学を学んだことを学科名に関係なく証明できること
- 試験がなく、更新や年会費もない
- 「意味ない」の声の多くは、心理職の資格と同じ働きを期待したずれから来る
- 学んだ証明がほしい人にはメリットが大きく、心理職の資格がほしい人には小さい
- 取ったら、資格名と学んだ中身をセットで話せるようにしておく
まずは、この記事のチェックで自分がどちらのタイプに近いかを確かめてみてください。





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