認定心理士の条件・要件|受験資格や試験はある?申請できる人を整理

認定心理士の条件・要件と、受験資格や試験の有無を確かめる記事のアイキャッチ

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認定心理士を目指したいけれど、自分がそもそも条件に当てはまるのか分からない。受験資格を調べても、はっきりした答えが見つからないという方も多いはずです。

結論から言うと、認定心理士の条件は3つだけで、試験はありません。大学で決められた心理学の単位を取り、四年制大学を卒業していれば、書類で申請できます。

この記事を読むと、認定心理士の資格要件と、あなたのケースで申請できるかどうかが分かります。

目次

認定心理士の資格要件は3つ

先に結論

認定心理士の資格条件は「日本での滞在経験」「大学での心理学の単位」「四年制大学の卒業」の3つです。3つともそろえば、日本心理学会に申請できます。

『条件が細かく決まっていそうで、読むのが大変そう』と思いますよね。でも実は、骨組みはとてもシンプルなんです。

日本心理学会の資格認定細則では、次の3つを条件にしています。

条件中身確かめ方
1. 日本での滞在16歳以降、通算2年以上日本に滞在した経験がある日本で育った人なら、まず当てはまる
2. 心理学の単位大学か大学院の心理学専攻・心理学関連専攻で、決められた領域の科目を履修し、必要な単位を取った成績証明書で単位を数える
3. 大学の卒業四年制大学を卒業して学士を取った、または大学院修士課程を修了して修士を取った卒業証明書か学位記で確かめる
認定心理士の条件である日本での滞在・大学での心理学の単位・四年制大学の卒業の3つを並べた図解

この3つのうち、多くの人が悩むのは2つ目の単位です。残りの2つは、当てはまるかどうかがすぐに分かります。

認定心理士がどんな資格なのか、まず全体を知りたい方は認定心理士とは?資格の意味・取り方・できることをやさしく解説を先に読んでみてください。

条件2の「心理学の単位」とは

求められるのは、総計36単位以上です。内訳は大きく分けて、基礎科目12単位以上と、選択科目16単位以上になります。

区分領域必要な単位(2014基準)
基礎科目a 心理学概論4単位以上
基礎科目b 心理学研究法・c 心理学実験実習合わせて8単位以上(うちc領域4単位以上)
選択科目d〜hの5領域3領域以上でそれぞれ4単位以上、合計16単位以上
その他i 心理学関連科目・卒業論文必須ではない(卒業論文は最大4単位)
総計a〜i36単位以上

c領域の実験実習は、6課題以上の実験を行い、それぞれレポートを書いていることが条件です。単位の数え方は認定心理士の必要単位は36単位|基本主題・副次主題の数え方で詳しく紹介しています。

条件ごとに、何で証明する?

3つの条件は、それぞれ別の書類で確かめられます。申請の時に何を出すのかを、先に見ておくとイメージしやすいですよ。

条件証明に使うもの
日本での滞在様式2(履歴書)に書く経歴
心理学の単位大学の成績証明書(原本)、a・b・c領域のシラバス、様式3(修得単位表)、様式4(c領域の実験課題リスト)
大学の卒業卒業証明書の原本、または卒業証書(学位記)のコピー。卒業前なら卒業見込み証明書

成績証明書はコピーが認められず、原本を出します。大学で厳封された証明書でも、開封して送ってかまいません。

条件3の「卒業」は、卒業見込みでもよい

卒業見込みの年度に入っていて、ほかの条件を満たしていれば、卒業前でも申請できます。これを「仮認定」といいます。

仮認定の流れは、このあとの見出しで紹介しますね。

審査は「科目名」ではなく「内容」

大学によって科目名はさまざまです。そのため審査は、科目名ではなく授業の内容で行われます。

担当の先生が心理学を専門にしているかどうかも見られます。どの科目がどの領域に当たるかを、申請前に学会へ聞いても答えてもらえない点は覚えておきましょう。

認定心理士に受験資格や試験はある?

試験はない、だから受験資格もない

認定心理士は、試験に合格して取る資格ではありません。大学で取った単位を書類で審査してもらう資格なので、「受験資格」ではなく「申請資格」と考えるのが正確です。

『認定心理士の試験はいつ?』『受験の申し込みはどこから?』と調べていた方もいますよね。

実は、認定心理士には試験がありません。「受験資格」という言い方もよく見かけますが、正しくは申請資格、つまり認定の条件のことなんです。

試験型の資格と書類審査型の資格を並べてみる

資格には、試験に合格して取るものと、学んだ記録を審査して取るものがあります。並べてみると、認定心理士がどちらに当たるかがよく分かります。

比べる点試験に合格して取る資格認定心理士(書類審査)
取るために要るもの受験資格を満たし、試験に合格する大学で取った単位と、卒業の証明
審査の方法筆記などの試験成績証明書・シラバス・様式1〜5などの書類
勉強の中心試験に向けた勉強大学の授業そのもの
日程年に決まった日に試験がある郵送物が届いた順に受け付けて審査
落ちた時次の回の試験を待つ条件を整えて再審査を受けられる
例公認心理師(国家試験がある)日本心理学会認定心理士

公認心理師は、文部科学省と厚生労働省が所管する国家資格で、国家試験に合格して登録します。認定心理士とは、取り方の仕組みからして別物なんですね。

試験に合格して取る資格と、大学の単位を書類で審査してもらう認定心理士の違いを並べた図解

例えば、こんな会話になりがち

認定心理士のことを周りに話すと、こんなやりとりになることがあります。

「認定心理士の試験って、いつあるの?」

「それが、試験はないんだって。大学で取った単位を書類で出して、審査してもらうらしいよ」

試験がない資格は珍しくないのですが、心理系の資格は試験のイメージが強いですよね。だからこそ、取り方を勘違いしやすいんです。

「試験がない」は、楽という意味ではない

試験がないと聞くと、簡単に取れそうに感じるかもしれません。

ただ、その分だけ大学での学びが問われます。心理学の基礎から研究法、実験実習まで、決められた領域をまんべんなく学んでいることが条件だからです。

「受験」と書かれた情報を見かけたら

ネットでは「認定心理士の受験資格」「認定心理士を受験する」といった書き方も見かけます。そう書かれていると、どこかで試験があるように思えてしまいますよね。

これは、申請できる条件のことを、ほかの資格にならって「受験資格」と呼んでいる場合がほとんどです。読み替える時は、次のように置き換えてみてください。

見かけた言い方実際の意味
受験資格申請資格(認定の条件)
受験する申請して審査を受ける
合格する審査に通り、認定料を払って認定される
試験の申し込み審査料を払って申請書類を出すこと
「認定心理士試験の勉強方法」を探していた方へ

試験に向けた勉強は要りません。そのかわりに、成績証明書を見て、どの領域の単位が足りているかを数えてみてください。それが認定心理士への最初の一歩になります。

あなたは当てはまる?ケース別の判定表

迷ったら「四年制大学の単位か」を見る

申請に使えるのは、四年制大学(大学院を含む)で開講され、単位取得の証明書が出る科目だけです。この一点で、多くのケースは判断できます。

『自分のような経歴でも大丈夫?』という疑問は、人の数だけありますよね。よくあるケースを表にまとめました。

あなたのケース申請できる?ポイント
心理学部以外の学部・学科を卒業したできる認定基準に合う科目の単位があればよい
卒業してから何年もたっているできる卒業の時期は問われない。今の基準で書類をそろえる
複数の四年制大学で単位を取ったできる大学ごとの成績証明書を出して合わせて申請
卒業後に別の大学で科目等履修をしたできる卒業した大学の単位と合わせて申請できる
海外の大学を卒業したできる公的な評価機関の評価を受けた大学が基準
短大を卒業した短大だけでは不可四年制大学へ編入し、短大の単位が卒業単位として認められた場合だけ使える
専門学校・民間講座で心理学を学んだ不可大学の単位ではないため
大学1年生・2年生まだ不可卒業見込みの年度になれば仮認定を申請できる
介護・保育などの資格を持っている資格だけでは不可資格ではなく大学の単位で判断される

海外の大学の単位はどう数える?

海外の大学の単位は、授業時間で換算します。講義は90分×15回で2単位、演習・実験・実習は90分×15回で1単位の考え方です。

短大卒の方が気をつけたいこと

短大の単位を使えるのは、四年制大学に編入して、その短大の単位が編入先の卒業単位として認められている場合だけです。

その時は、編入先の大学が出す認定・読み替えの証明書と、短大の成績証明書が要ります。証明書が出ない場合、短大の科目は申請に使えません。

例えば、教育学部を出て保育の仕事をしている場合

教育学部で教職の科目を取っていた場合を考えてみます。

教育心理学や発達心理学は、f領域(教育心理学・発達心理学)に当たる可能性があります。心理学概論は、一般教育や教職教養の科目で埋められることもあるんです。

一方で、c領域の実験実習は取っていないことが多いはず。その場合は、卒業後に別の大学で実験実習の科目を取り、元の大学の単位と合わせて申請する形になります。

例えば、海外の大学で心理学を学んだ場合

海外の大学を卒業していても申請できます。基準になるのは、その大学が公的な高等教育の評価機関の評価を受けているかどうかです。

単位は先ほどの換算で数え直します。授業の時間と回数が分かる資料を、早めに手元にそろえておくと安心です。

申請前のセルフチェック

次の項目に、いくつ当てはまるか数えてみてください。全部に当てはまれば、申請の準備に進めます。

認定心理士の申請資格セルフチェック
  • 16歳以降、通算2年以上日本に住んだことがある
  • 四年制大学を卒業している、または卒業見込みの年度に入っている
  • 使う単位は、四年制大学か大学院で取ったものだけ
  • 成績証明書で、a〜hの領域の単位を数えてみた
  • c領域の実験実習で、6課題以上のレポートを書いた

当てはまらない項目があっても、がっかりしなくて大丈夫です。足りない単位は、卒業後に大学で足すこともできます。

卒業前でも申請できる?仮認定の条件

卒業見込みなら、在学中に申請できる

卒業見込み証明書を出せる人は、卒業前に「仮認定」を申請できます。合格すると、有効期限付きの仮認定証が届きます。

『就職活動の前に、資格として形にしておきたい』という在学生の方もいますよね。そんな時に使えるのが仮認定です。

仮認定のポイントを並べてみます。

  • 対象は、卒業見込み証明書を出せる人
  • 申請できるのは、申請した時点で取れている単位だけ
  • 成績証明書と卒業見込み証明書が要る
  • 審査料・認定料は、ふつうの申請と同じ額
  • 仮認定証の有効期間は、卒業見込みの年月をもとに決まる

卒業したら、卒業証明書を事務局へ送ります。これで正式な資格取得になり、認定証とIDカードが届きます。

例えば、大学4年の春に申請を考える場合

心理学科の4年生で、卒業論文以外の単位はほぼ取り終えている場合を考えてみます。

この時点で、取れている単位だけで条件を満たしているなら、仮認定を申請できます。逆に、4年次の授業で取る予定の単位を足さないと届かないなら、申請は卒業後にするほうが確実です。

よくある勘違い

「これから取る予定の単位」も含めて申請できると思ってしまうケースです。仮認定で数えられるのは、申請の時点で成績証明書に載っている単位だけです。

仮認定の流れや期限については、認定心理士の仮認定とは|卒業前に申請できる条件と流れで詳しく紹介しています。

条件を満たしていたら、申請までの段取り

準備は「単位を数える」から始める

条件に当てはまりそうなら、成績証明書を取り寄せて単位を数え、申請の方法を選びます。郵送の書類申請と、Webの電子申請の2通りがあります。

ここまで読んで『自分は条件を満たしていそう』と感じた方は、次の順番で準備を進めてみてください。

申請までの段取り
  1. 大学から成績証明書を取り寄せ、a〜iの領域ごとに単位を数える
  2. a・b・c領域の科目のシラバスを用意する
  3. 書類申請か電子申請かを決める
  4. 審査料11,000円を払い、書類を出す
  5. 審査に合格したら、認定料33,000円を払う

審査結果が届くまでは、通常2〜3か月かかります。書類に不備があると、さらに時間がかかることも。

申請方法の細かい手順は認定心理士の申請方法と流れで、取り方の全体像は認定心理士の取り方|なるには何が必要?でまとめています。

条件に届かなかった時の考え方

単位が足りなかった場合も、道はあります。大学を卒業していれば、別の大学で科目等履修生として足りない科目だけ取り、元の単位と合わせて申請できます。

まだ大学を出ていない方なら、大学に入って卒業を目指すことになります。働きながらなら、通信制大学も選択肢です。

2027年4月から新しい基準が加わる

2027年4月1日からは、新しい「2027基準」でも申請できるようになります。2031年3月31日までは、今の2014基準と新しい基準のどちらでも申請できます。

大きく変わるのは選択科目の条件です。2014基準は「3領域以上でそれぞれ4単位以上」ですが、2027基準は「4領域以上でそれぞれ2単位以上」になります。

総計36単位以上・基礎科目12単位以上は変わりません。

どちらの基準なら条件を満たせるか、両方で数えてみるのも1つの方法です。変更点は認定心理士の2027年基準とは?で紹介しています。

足りないのはどの領域か、今の学歴でどの入口から大学に入れるか。この2つを書き出しておくと、大学を探す時に迷いにくくなります。

心理学の資格

働きながら認定心理士を目指すなら

認定心理士は大学で所定の単位を修得して申請する資格です。今から単位をそろえるなら、通信制大学で学ぶ方法があります。入学・編入・科目等履修の選び方と、大学を比べる時のポイントをまとめました。

無料通信制大学で取る方法を見る

認定心理士の基準・費用や大学の制度は変わることがあります。最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。

よくある相談:認定心理士の条件

相談の多くは「今の自分で申請できるか」

寄せられる相談で目立つのは、学年や持っている資格、学び方の条件についての疑問です。

認定心理士の条件について、よくある相談を3つ取り上げます。

『大学1年生でも認定心理士は取れますか?』

心理学科に入ったばかりで、早めに資格を取っておきたいという相談です。

残念ながら、1年生の時点ではまだ取れません。条件に四年制大学の卒業があるからです。

ただ、卒業見込みの年度になれば仮認定を申請できます。1年生のうちにできるのは、履修案内で認定心理士の対応科目を確かめ、4年間の履修計画を立てておくことですね。

『介護関係の仕事や資格があれば、受験できますか?』

介護や保育の仕事をしていて、その経験や資格で申請できないかという相談です。

認定心理士の条件は、あくまで大学で取った心理学の単位と、四年制大学の卒業です。仕事の経験や、ほかの資格を持っていることは条件になりません。

日本心理学会も、ほかの資格の講習は、四年制大学で開講されていて単位取得の証明書が出る科目だけが対象と説明しています。仕事で身につけた経験は、大学で学ぶ時の理解を深めてくれるはずです。

『放送大学以外で、試験を受けて取る方法はありますか?』

認定心理士の試験を受けたいけれど、放送大学以外に方法はないか、という相談です。

まず、認定心理士に試験はありません。どこの大学で学んでも、取った単位を書類で審査してもらう仕組みは同じです。

放送大学のほかにも、認定心理士に対応した科目を開いている通信制大学があります。大学ごとにスクーリングの有無などが違うので、通信制大学で認定心理士を取る方法も参考にしてみてください。

よくある質問

認定心理士の受験資格は何ですか?

認定心理士には試験がないため、受験資格という仕組みはありません。申請の条件は、日本での滞在経験、大学での心理学の単位、四年制大学の卒業の3つです。

心理学部を出ていなくても申請できますか?

できます。他学部や他専攻を卒業していても、認定基準に合う科目の単位を取っていれば申請できます。

大学院を修了していれば条件を満たしますか?

大学院修士課程を修了して修士の学位を取っていることは、卒業の条件に当てはまります。単位は、大学院で取った科目を主に選択科目(d〜h)として使えます。

審査に落ちたら、もう申請できませんか?

条件を整えたうえで、再審査を受けられます。不備の修正期限を過ぎても受け付けられ、追加の審査料はかかりません。

認定心理士の条件は、これから変わりますか?

2027年4月1日から2027基準での申請が始まります。2031年3月31日までは、今の2014基準と2027基準のどちらでも申請できます。

まとめ

この記事の要点
  • 認定心理士の条件は、日本での滞在・大学での心理学の単位・四年制大学の卒業の3つ
  • 試験はなく、受験資格ではなく申請資格(認定の条件)として考える
  • 他学部卒・卒業後何年たっていても・複数の大学の単位でも申請できる
  • 短大だけ、専門学校や民間講座だけの学びでは申請できない
  • 卒業見込みの年度なら、仮認定として卒業前に申請できる

条件の正式な内容は、日本心理学会の認定の手続きのページで確かめられます。まずは成績証明書を手元に置いて、自分がどこまで条件を満たしているかを見てみてください。

心理学の資格

心理学の資格 編集部

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