大学院で認定心理士は取れる?大学院の単位・通信制大学院の考え方

認定心理士を大学院の単位で取れるかを解説する記事のアイキャッチ

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大学院に進んだ、またはこれから進む予定で、大学院の単位も認定心理士に使えるのか気になっている。そんな方も多いですよね。

結論から言うと、大学院で取った単位も認定心理士の申請に使えます。ただし大学院の科目は主に選択科目として使う形が多く、基礎科目は学部の単位で考えるのが現実的です。

この記事を読むと、大学院の単位の使い方と、学部の単位と合わせて数える時の注意点が分かります。

目次

大学院の単位で認定心理士は取れる?

先に結論

認定心理士の条件には、大学または大学院の心理学専攻・心理学関連専攻で単位を取ることが含まれています。大学院で取った単位も、条件に合えば申請に使えます。

『大学院の単位は、学部とは別扱いなのかな』と思いますよね。実は、学会の条件には最初から「大学院」が入っているんです。

認定心理士の資格認定の条件を、大学院に関係するところだけ見てみましょう。

条件大学院との関係
大学または大学院の心理学専攻・心理学関連専攻で単位を取る大学院の単位も対象に入る
四年制大学を卒業して学士を取る、または大学院修士課程を修了して修士を取る修士の修了でも学歴の条件を満たせる
16歳以降、通算2年以上日本に滞在した経験がある大学院に関係なく必要

条件の全体は、認定心理士の条件・要件|受験資格や試験はある?申請できる人を整理でまとめています。

大学院の単位は主に選択科目で使う

放送大学は、大学院で取った単位も認定の対象になり、主に選択科目(d〜h領域)として使えると案内しています。

d〜h領域は、知覚・学習、生理・比較、教育・発達、臨床・人格、社会・産業の5つです。大学院の専門的な科目は、このどこかに当たることが多いんですね。

選択科目の5つの領域と科目の例

大学院の科目がどの領域に近いかは、次の表が目安になります。科目の例は、日本心理学会の2014基準に挙がっているものです。

領域科目の例
d 知覚心理学・学習心理学知覚・認知・学習・思考・言語・感情心理学など
e 生理心理学・比較心理学生理・比較・動物・神経心理学など
f 教育心理学・発達心理学教育・発達・児童・青年・学校心理学など
g 臨床心理学・人格心理学臨床・人格・健康心理学など
h 社会心理学・産業心理学社会・産業・組織・家族・消費者心理学など

2014基準では、このうち3領域以上で各4単位以上、合計16単位以上が必要です。2027基準では、4領域以上で各2単位以上、合計16単位以上に変わります。

大学院で特定の領域ばかり学んでいる場合、領域の数が足りないこともあります。『単位の合計は多いのに足りない』という時は、領域の数を数え直してみてください。

認定心理士に大学院は必須ではない

認定心理士は、四年制大学を卒業して学部で単位をそろえれば取れます。大学院に進まないと取れない資格ではありません。

学部と大学院の単位を合わせて数える時の注意点

基礎科目は学部で、選択科目は大学院でも

学部の単位と大学院の単位は、合わせて申請できます。数える時は、基礎科目(a〜c領域)を学部の単位で満たせているかを先に確かめましょう。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。『大学院でたくさん単位を取ったから大丈夫』と思っていても、基礎科目が足りないことがあるんです。

複数の教育機関の単位を合わせて申請できることは、学会も放送大学も案内しています。それぞれの成績証明書を用意して申請します。

基礎科目を先に確かめる理由

基礎科目は、心理学概論(a)・心理学研究法(b)・心理学実験実習(c)の3つです。特にc領域は、実験的な方法で基本的な課題を4つ以上含む計6課題以上を行い、課題ごとにレポートを書いていることが条件です。

大学院の授業は専門的な内容が中心で、こうした基礎の実験の授業とは中身が違うことが多いです。だから基礎科目は、学部で取った単位で埋まっているかを最初に見ておきましょう。

区分必要な単位(2014基準)主に数える単位
a 心理学概論4単位以上学部
b 研究法・c 実験実習合計8単位以上(うちc領域4単位以上)学部
d〜h 選択科目3領域以上で各4単位以上、合計16単位以上学部と大学院
i その他必須ではない(卒業論文は最大4単位まで)学部
合計36単位以上学部と大学院
学部の単位と大学院の単位を、基礎科目と選択科目に分けて数える手順の図解

修士論文は認定基準を満たさない

2027基準では、認定基準を満たさない科目の例に「修士論文」が挙がっています。卒業論文はi領域で最大4単位まで数えられますが、2027基準で申請するなら修士論文は数えられないと考えておきましょう。

どちらの基準で申請するにしても、迷った時は学会の基準表で確かめるのが安心です。

数える時の手順

学部と大学院の単位を合わせて数える手順
  1. 学部と大学院の成績証明書をそれぞれ用意する
  2. 学部の単位で、a・b・c領域が満たせているか確かめる
  3. 学部の選択科目(d〜h領域)を数える
  4. 足りない選択科目の領域を、大学院の科目で補えるか見る
  5. 合計が36単位以上になるかを確かめる

単位の数え方の細かいところは、認定心理士の必要単位は36単位|基本主題・副次主題の数え方で紹介しています。副次主題の科目は、開講単位数の半分しか数えられない点にも気をつけてください。

科目名だけで判断しない

審査は科目名ではなく内容で行われ、担当の先生が心理学を専門にしているかも見られます。大学院の科目も、シラバスで中身を確かめてから数えましょう。

通信制の大学院で認定心理士をめざす時の考え方

通信制でも考え方は同じ

通信制の大学院で取った単位も、大学院の単位として同じように考えます。ただ、基礎科目の実験の単位は、学部の通信制大学の方が取りやすいことが多いです。

『働きながら通信の大学院に行くなら、認定心理士も一緒に取れる?』と考える方もいますよね。

通信制の大学院で取れるのは、主に選択科目に当たる単位です。学部で基礎科目がそろっていない場合は、通信制の大学院だけで認定心理士の単位をそろえるのは難しくなります。

基礎科目が足りない時の補い方

学部を卒業していて基礎科目が足りない時は、四年制大学の科目等履修などで補う道があります。卒業後に他大学で取った単位も、合わせて申請できます。

通信制大学なら、心理学実験の科目をスクーリングで受けて、c領域の単位を取れることがあります。流れは通信制大学で認定心理士を取る方法|働きながら目指す流れと注意点で紹介しています。

足りないもの補う場所の考え方
a・b・c領域(基礎科目)学部の通信制大学や通学制の大学で、科目等履修などで取る
d〜h領域(選択科目)学部の科目のほか、大学院の科目も候補になる
学歴の条件四年制大学の卒業か、大学院修士課程の修了
足りない単位の種類ごとに、学部と通信制の大学院のどちらで補うかを分けた判定の図解

例えばこんな場面で考えてみる

心理学部以外の学部を出て、社会人になってから通信制の大学院を考えている場合です。

学部で心理学の基礎科目を取っていなければ、大学院に入っても基礎科目はそろいません。この場合は、先に学部の通信制大学で基礎科目を取る方が近道になります。

今の学歴で、どこで単位を取るか

大学院に進むかどうかに関係なく、基礎科目が足りない方は、どこで取るかを先に決めておきましょう。

通学できる大学があれば、その大学の科目等履修で取る道もあります。働きながら学ぶなら、心理学実験のスクーリングがある通信制大学の資料を見比べてみてください。

心理学の資格

働きながら認定心理士を目指すなら

認定心理士は大学で所定の単位を修得して申請する資格です。今から単位をそろえるなら、通信制大学で学ぶ方法があります。入学・編入・科目等履修の選び方と、大学を比べる時のポイントをまとめました。

無料通信制大学で取る方法を見る

認定心理士の基準・費用や大学の制度は変わることがあります。最新の情報は日本心理学会と各大学の公式サイトで確認してください。

立場別に、大学院の単位で今やっておきたいこと

立場によって、準備することは違う

これから大学院に進む人、大学院に在学中の人、すでに修了した人では、やっておきたいことが少しずつ違います。自分に近い立場から確かめてみてください。

『大学院の単位を使うなら、いつ何をすればいいの?』と迷う方もいますよね。立場ごとにまとめてみました。

立場やっておきたいこと
これから大学院に進む学部生学部のうちにa・b・c領域をそろえ、卒業時に申請できるか確かめる
大学院に在学中学部の単位を数え、足りない選択科目を大学院の科目で補えるか見る
大学院を修了した学部と大学院の成績証明書をそろえ、今の基準で申請する
心理学以外の学部から大学院に進んだ基礎科目がそろっているかを最初に確かめる

学部生のうちに申請しておく道もある

学部で36単位以上がそろう見込みなら、大学院に進む前に申請してしまう道もあります。卒業見込みの年度に条件を満たしていれば、卒業前に申請できる仮認定があります。

仮認定は、申請時点で取った単位だけが審査されます。仕組みは認定心理士の仮認定とは|卒業前に申請できる条件と流れで紹介しています。

書類集めで気をつけたいこと

大学院の単位を使って申請する時のチェック
  • 学部と大学院、それぞれの成績証明書を用意する
  • a・b・c領域の科目のシラバスを手元にそろえる
  • 成績証明書どおりの科目名で書類に書く
  • 担当の先生の名前を確かめておく

シラバスが手に入らない時は、まず大学に問い合わせます。それでも無い時は、同じ内容の別の年度のシラバスに理由を書き添える方法などが案内されています。

例えば、大学院を修了して数年たってから申請する場合です。証明書に発行期限はないので、学部と大学院の両方に発行を頼んでから書類を作り始めると、手戻りが少なくなります。

認定心理士と大学院についてよくある相談

多いのは「大学院は必須?」「通信の大学院で取れる?」

大学院に関する相談では、認定心理士に大学院が必要なのか、通信の大学院で取れるのか、心理職の資格との関係はどうか、という内容がよく見られます。

認定心理士になるには、大学院への進学が必須?

認定心理士になるために、大学院に進む必要があるのか、という相談です。

必須ではありません。四年制大学を卒業し、学部で36単位以上をそろえれば申請できます。

大学院は、学部で足りない選択科目を補う場として使える、と考えておくとよいですよ。

住んでいる地域で、通信の大学院で取れるところはある?

地方に住んでいて、通信の大学院で認定心理士を取れるところを探している、という相談です。

通信の大学院で取れるのは主に選択科目の単位なので、大学院だけでそろえるのは難しいことが多いです。まず学部で基礎科目がそろっているかを確かめてみてください。

基礎科目が足りなければ、学部の通信制大学を探す方が合っています。スクーリングの会場や日程は大学ごとに違うので、各大学の案内で確かめましょう。

認定心理士を持っていて、心理職の資格にも興味がある

認定心理士を持っていて、公認心理師など心理職の資格にも興味がある、という相談です。

公認心理師は文部科学省・厚生労働省の管轄による心理職の国家資格で、認定心理士とは別の資格です。受験資格は認定心理士とは別に決まっているので、公認心理師制度推進室などの窓口で確かめてください。

資格ごとの違いは、認定心理士と公認心理師・臨床心理士の違い|目的別にどれを目指すかで比べています。

公式の説明を見たい時は

資格認定の条件や複数の教育機関の単位については、日本心理学会「Q & A」で確かめられます。

よくある質問

大学院で取った単位は認定心理士に使えますか?

使えます。条件には大学または大学院の心理学専攻・心理学関連専攻が含まれ、大学院の科目は主に選択科目(d〜h領域)として使う形が多いです。

大学院の単位だけで認定心理士を取れますか?

基礎科目のa・b・c領域が足りないと難しくなります。学部の単位で基礎科目がそろっているかを先に確かめましょう。

修士論文は単位に数えられますか?

2027基準では、修士論文は認定基準を満たさない科目の例に挙がっています。卒業論文はi領域で最大4単位まで数えられます。

通信制の大学院でも認定心理士の単位は取れますか?

通信制の大学院の単位も、大学院の単位として同じように考えます。ただ、基礎科目の実験の単位は学部の通信制大学で取る方が現実的です。

大学院を修了してから時間がたっていても申請できますか?

卒業の時期に関係なく申請できます。ただし今の基準で審査されるので、現行の基準を確かめてから書類をそろえましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 認定心理士の条件には大学院も含まれ、大学院の単位も申請に使える
  • 大学院の科目は主に選択科目(d〜h領域)として使う
  • 基礎科目(a・b・c領域)は学部の単位で満たせているかを先に確かめる
  • 修士論文は2027基準で認定基準を満たさない科目の例に挙がっている
  • 基礎科目が足りなければ、学部の通信制大学などで補う

まずは学部と大学院の成績証明書を並べて、基礎科目がそろっているかを確かめてみてください。

心理学の資格

心理学の資格 編集部

日本心理学会の認定心理士について、資格の意味・必要な単位と科目・申請の流れ・費用・通信制大学での取り方までを、はじめて調べる人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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